映画サークル
かざぐるま
   



 『映画サークル「かざぐるま」は、今から30年前、杉並区の保母さんたち数人が、映画のことを話し合ったりする目的で、荻窪の喫茶店「風車(ふうしゃ)」(今はもうありません)に集まっていたのが始まりです。

 この30年は、映画界は、テレビやビデオなど、他の映像文化に押しまくられ、特に日本映画界は、今なお引き続く厳しい状況の中におかれています。そんな中「かざぐるま」は、ささやかでも映画ファンのサークルとして映画文化の普及・発展に貢献したいという思いがありました。

  杉並の小学校の体育館で行った『同胞』の上映会。女優大竹しのぶさんらを招いた『あゝ野麦峠』の制作発表会、今はもうない杉並公民館での『若者たち・三部作』の一挙上映会・・・。私たちも若かったせいか、こうした上映会に一喜一憂しながら、エネルギーを燃やし、そのたびにサークルの仲間も増え、その絆も強くなっていったと思います。

 これらの上映会は、大変なエネルギーのいる活動でした。何百人もの観客で一杯になる上映会の開催は、今でも捨て去った夢ではありません。しかし、30年間、今日まで継続できた力は、むしろ地道な活動・機関紙「かざぐるま」の発行(今年70号)や、映画を見て語り合う「鑑賞会」(300回)の継続であったように思います。

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 先日の、「30周年のつどい」には、43名もの方がお集まりいただきました。

 会員でもありプロの照明術者・青木好文さんのシネマトークは、映画の裏方の仕事ぶりの苦労や撮影裏話も聞けました。当日は、ゲストとして、映画「同胞」の作曲者でもある岡田京子さんらも来ていただき、なつかしい「ふるさと」の全員合唱でおひらきとなりました。
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 21世紀の幕開けは、予想だにしなかったショッキングな出来事が起きてしまいました。平和で、人類にとって希望のある世紀であって欲しい。そして、映画が、生きる勇気と人の心を豊かにしてくれる力を存分に発揮してくれることを、願わずにはいられません。

 「かざぐるま」30年の蓄積を無駄にせず、これからも映画の分野を通じて文化活動の一翼として地道にやってゆこうと思っています。映画の好きな方がいましたら、ぜひご一緒しましょう。

  映画サークル「かざぐるま」
               小野 孝雄
     Email:   ono-t@nifty.com  
     
  
     *『すぎなみ文化通信』2002年1月号に掲載